OKURA SEEDS

物流やマテハンにまつわる
お役立ち情報を発信します。
SEEDSは「種」。
新しい発想の種となる
情報をお届けします。

HOME > okura-seeds > 第2回「物流センターでのマテハン基礎知識と役割」

物流お役立ちコラム

NEW

『物流現場が変わる! マテハン機器導入・活用ガイド【入門編】』

第2回「物流センターでのマテハン基礎知識と役割」

#2024年問題 #マテリルハンドリング #働き方改革 #DX化 #生産性向上

第2回は物流センターでの機能や工程のなかで、どんなマテハン機器があるのかを紹介いたします。

1. マテハンとは

「マテハン」について、一般社団法人日本物流システム機器協会(JIMH)の資料より引用します。

Q1.マテハンとはどういうものですか?
マテリアル・ハンドリング(Material Handling)の略称です。
特に日本では、工場や物流センター、空港などのさまざまな施設での物品のすべての移動に関わる取り扱いを指します。
Q2.マテハン機器とは?
物品の取り扱いを人に代わって行ったり、サポートしたりするのがマテハン機器です。

(引用元:よくあるご質問 - マテハンQ&A https://www.jimh.or.jp/faq/)

つまり、マテハンとは、物流業務の移動・保管・管理を効率化する機器の総称であり、構造的な人手不足を背景に省人化・自動化を実現する手段として一段と重要性が高まっています。

2. 物流の5大機能

さて、物流センターでのモノの流れを支えるには、次の5つの機能が必要です。

輸配送
トラックや鉄道などで荷物を運ぶ、物流のメイン機能
保管
倉庫などで商品を適切な状態で管理し、需要に合わせて出荷を調整する機能
荷役
荷物の積み降ろし、運搬、仕分け、ピッキングなどの作業全般を指す機能
包装
輸配送中に商品が壊れないよう梱包し、品質を維持する機能
流通加工
ラベル貼りや商品のセット組み、検品など、付加価値を高める機能

最近では、この5つにITで在庫や配送データを管理する「情報管理」を加えて「物流の6大機能」とも呼ばれています。

物流センターの機能

3. 主なマテハン機器

ここでは、物流の6大機能を踏まえた上で、主なマテハン機器と役割を説明いたします。

搬送・荷役機器

荷物を動かしたり、積み込んだりする機器や装置です。

フォークリフト
パレット単位の重量物を運ぶ代表的な機器です。人力では困難な重量物の移動やトラックへの積み込みを迅速化します。最近では、有人フォークリフトに後付けで遠隔操作できる機器を取り付けられる装置や無人フォークリフト(AGF:Automated Guided Forklift)も登場しています。
コンベヤ
倉庫内の特定区間を自動で荷運びし、作業者の移動負担を軽減します。また、荷物を一定のルートで連続的に搬送できます。物流現場でもっともよく使われているマテハン機器ともいえます。
無人搬送車(AGV: Automatic Guided Vehicle)/自律走行搬送ロボット(AMR: Autonomous Mobile Robo)
人に代わって自動で荷物を運ぶロボットです。昨今急速に導入が進んでいる機器です。
台車/ハンドパレット
狭い場所や短距離の移動に手動で使用する運搬機器です。

保管機器

商品を効率よく、限られたスペースに収納するための設備で、空間の有効活用と正確な在庫管理の実現につながります。

固定ラック
最も一般的な保管のための棚になります。パレット用やユニットロード化(パレット化)されない小物用もあります。
移動ラック
棚自体が動き、通路スペースを削減して収納効率を高めます。固定ラックより約2倍の物品を保管することが可能です。
自動倉庫
コンピューター制御によって荷物の入出庫や保管を自動化したシステムになります。AS/RS(Automated Storage and Retrieval System)ともいいます。従来のスタッカクレーンを使うタイプだけでなく、近年ではシャトルを使うタイプが普及しています。

仕分け・ピッキング機器

出荷先ごとに商品を選び出し、分類するための機器で、大量の商品を高速かつ正確に配送先別に仕分けします。

ソータ
コンベヤで搬送されてくる荷物を目的地や配送先別に自動で振り分ける自動仕分け装置(Sorter)です。物流センターや倉庫において、人手による仕分け作業を自動化し、高速かつ正確な処理を実現するために欠かせない設備です。
ピッキングカート
デジタル表示器を備えたカートで、指示通りに商品を集める作業を支援します。
デジタルピッキングシステム(DPS)
棚に設置された表示灯が、取るべき商品と個数を指示してくれるので、人的ミス防止につながります。DPS(Digital Picking System)と略称されることが多いです。

包装・梱包機器

包装・梱包機器とは、製品を「包む(包装)」工程や、輸送のために「まとめる(梱包)」工程を自動化・効率化する機器です。

自動製函機
ダンボールを自動で組み立てます。
自動梱包機(封緘機)
テープ貼りやPPバンドでの結束を自動で行います。
パレタイザ
製造ラインや物流拠点で、梱包された製品(段ボール、袋、缶など)をパレット上に自動で積み上げる装置がパレタイザ(Palletizer)です。機械式やロボット式があり、手作業による重労働を解消し、作業の効率化と精度の向上を実現します。

管理システム

倉庫管理やそれに伴うマテハン機器を動作させるためのソフトウエアです。

WCS
マテハン機器を最適に稼働させるための倉庫制御システム(Warehouse Control System)です。
WMS
倉庫管理システム(Warehouse Management System)のことで、物流センターや倉庫内の入出荷、在庫、棚卸などの作業を一元管理・効率化するソフトです。バーコード検品等で人的ミスを防ぎ、リアルタイムな在庫把握や作業の標準化により生産性を大幅に向上させてくれます。

近年ではWES(Warehouse Execution System)をWMSとWCSの間に入れて倉庫内の様々なリソースを統合的に管理し、リアルタイムで最適な作業指示を出すことで、倉庫業務全体の効率化を図る事例も増えています。

オークラ輸送機では様々なマテハン機器を開発し、数多くの物流センターに導入されている。

4. DCとTCの違い

物流センターには在庫型のDC(Distribution Center)と通過型のTC(Transfer Center)の2つがあります。
商品の「保管」の有無で区別されるのが特徴です。
DCは在庫を保管してピッキング・出荷します。一方、TCは在庫を持たずに荷物を仕分けて即時配送します。役割を理解しないと当然導入される機器の組み合わせが異なりますので注意が必要です。
このほか、スーパーの生鮮食品の流通加工機能に代表されるPC (Process Center)や、EC物流向けに高度に自動化されたFC(Fulfillment Center)もあります。どのセンターも物流の拠点として重要な役割を担っています。

在庫型のDCと通過型のTC

5. マテハン機器導入のメリット

最後にマテハン機器導入によるメリットについて説明いたします。

省人化とコスト削減
人手を介さずに作業を進められるため、深刻な人手不足への対策や中長期的な人件費の抑制につながります。
作業精度の向上
ヒューマンエラー(誤出荷など)を物理的に防ぎ、物流品質を一定に保てます。
容積率の向上
横方向の水平スペースだけでなく、縦方向の垂直スペースを効率よく使えます。
安全性の確保
重労働をマテハン機器が代行することで、作業者の身体的負担を軽減し、物流センター内での事故リスクを低減します。
働く環境の快適性
物流センター内のマテハン機器導入で働く環境がよくなり、人とマテハン機器の共存により、職場環境が改善され、人の定着につながっていきます。それにより、地域での募集もやりやすくなり、地域貢献だけでなく企業の安定性にもつながります。

いかがだったでしょうか。
今回は、マテハン機器にはどんなものがあり、その役割を横断的にご紹介しました。
次回からは、マテハン機器をジャンル別に掘り下げていきますのでご期待ください。

none