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物流お役立ちコラム

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『物流現場が変わる! マテハン機器導入・活用ガイド【入門編】』

第3回「搬送機器には何があるの? (コンベヤ)」

#2024年問題 #マテリルハンドリング #働き方改革 #DX化 #生産性向上

物を移動させるイメージが強いマテハン機器の代表製品は、やはりコンベヤですね。ただ、あなたが持っているイメージは宅配便などの配送センターで使われるベルトコンベヤかもしれません。実はコンベヤは、もっと多種多様なのです。その一部をご紹介しましょう。

1. コンベヤとは

第2回の『主なマテハン機器』の中で、コンベヤを次のように紹介しました。
「倉庫内の特定区間を自動で荷運びし、作業者の移動負担を軽減します。また、荷物を一定のルートで連続的に搬送できます。」
もう少し説明を加えますと、物流センターにおけるコンベヤは、段ボールやコンテナ(ケース)などの荷物を一定速度で連続的に運ぶ自動搬送装置になります。

今や現場では搬送する速度が高速化しています。以前公開されていた物流センターを舞台にした大ヒット映画「ラストマイル」では「2.7m/s(秒速2.7メートル)」(分速に換算すると162m/min)が話題になりました。 さすがに一般的な物流センターでは、ここまでの高速化には至っていませんが、40 m/minや60 m/minは当たり前になっています。余談ですが、荷物を搬送する速度として、物流センターでは分速を使います。

コンベヤは、人手による運搬を自動化し、入荷・保管・仕分け・ピッキングから梱包工程までへの荷物の供給をスムーズに行うことで、物流センターの作業効率向上と省人化に不可欠な役割を果たしています。

2. 「コンベア」との違い

コンベヤに似た表現としてコンベアがあります。
どちらの表現も英語のconveyor(運搬機)を指す外来語からきており、意味上の違いはありません。他に使われる表現として「コンベヤー」や「コンベアー」もありますが同じことになります。
長音「ー」がないのは、JIS(日本産業規格)の表記ルールに基づき、3音以上のカタカナ語尾の長音「ー」を省略している表現になるからです。新聞やテレビなどのメディアでは「コンベヤー」を用語の使用基準にしていますが、マテハンメーカーの製品名、図面、技術仕様書などでは、「コンベヤ」を使っているケースが多いです。
オークラ輸送機でも「コンベヤ」を使用しています。

3. コンベヤ導入のメリット

コンベヤを導入するメリットは何があるでしょうか?

人手不足の解消
作業員が荷物を運ぶ時間を削減し、配置する人員も削減できます。
作業スピード向上
定速で止まらずに荷物を運ぶため、人手よりも速く、安定して荷物を搬送できます。
品質の安定
荷物の搬送時や積み下ろし時の落下や破損ミスを防ぎます。
安全
重量物を運ぶ作業員の身体的負担と事故リスクを軽減します。
コスト削減
長期的には人件費や教育コストを抑え、物流全体の最適化を図れます。

4. 主なコンベヤ

種類豊富なコンベヤを、いくつかに分類して紹介いたします。

代表的な3つのコンベヤ

ベルトコンベヤ
フレーム両端に取り付けたプーリにエンドレスの樹脂やゴム製のベルトを取り付けて、ベルト上面で搬送します。
バラ物や小物、袋物の搬送に適しています。平坦な水平搬送の他に、傾斜搬送ができる機種もあります。
ローラコンベヤ
左右のフレームにローラを一定間隔に配置し、ローラ上面に直接、荷物を載せて、ローラの回転力によって搬送します。
段ボールやコンテナ(ケース)など、底面が平らな荷物の搬送に適しています。
チェーンコンベヤ
エンドレスに動くチェーンを2列に配置し、チェーン上に荷物を載せて搬送します。 パレットなどの重量物搬送に適しています。

ローラコンベヤ

ローラコンベヤは、駆動有無や機能によって、さらに分類されています。

フリーローラコンベヤ
駆動源をもたないコンベヤで、フレームに配置したローラは常にフリーな状態で、
人手により荷物を移動させたり、コンベヤを傾斜させて荷物を上方向から下方向に搬送させたりします。
ローラタイプだけでなく、ホイールタイプもあります。また、搬送方向としては、一般的なストレート(直線状のコンベヤ)タイプだけでなく、カーブ(曲線上のコンベヤ)やコンベヤを伸縮できるタイプなどもあります。
グラビティコンベヤも基本的には同じになります。フリーコンベヤの「フリー」は駆動源を持たない状態を指し、グラビティコンベヤの「グラビティ」は重力(Gravity)を利用するという機能を指しています。
駆動コンベヤ
動力源(モータ)からチェーンやベルトを介して、駆動力をローラに伝達することにより、ローラを常時回転させて、ローラ上の荷物を搬送させます。
アキュムレートコンベヤ
搬送とストレージ機能の2つの機能を持つローラコンベヤになります。
荷物を傷つけずに、一時的に滞留・蓄積させる機能を持ちます。
モータローラコンベヤ
ローラの中にモータと減速ギアが内蔵されたモータローラをフリーローラコンベヤに組み入れ、ローラ上の荷物を移動させる方式の駆動コンベヤです。モータローラは完全に密閉構造で突起物が無く安全、静か、清潔で、組み込みやメンテナンス時の交換が簡単なのが特徴です。

5. コンベヤ使用の効果

コンベヤは連続して設置していくことにより、物流センター内のあらゆるところで使用できます。
コンベヤ設置場所は床だけではありません。天井下の空間スペースを有効活用することもできます。
ストレートコンベヤやカーブコンベヤ、30°・45°・90°分岐/合流装置との連携による効率的な配置、通路や人の導線を確保するための跳ね上げコンベヤと組み合わせたり、コンベヤラインの途中で上げ下げさせたりすることも可能です。1F→2F、2F→1Fへ傾斜ベルコン使用で各階をつなぐことも可能です。
コンベヤほど多様性があるマテハン機器は他にはないかもしれません。

6. 他のマテハン機器との連携

第2回で紹介しましたいろんなマテハン機器周辺でも、コンベヤは欠かせません。

ソータとの連携
方面別や行き先別に自動で荷物を振り分けるソータの前後で使用されます。ソータとは切っても切り離せないコンベヤです。
GTPとの連携
自動倉庫の入出庫口、シャトル系ラックのステーション部・入出庫口にはコンベヤは欠かせません。
※GTP:Goods to Personの略で、人が在庫エリアを歩き回る必要がなくなり、定点でのピッキングが可能になる仕組み。
自動搬送ロボットとの連携
棚搬送ロボットからの荷物を取り出す終点部(ステーション)や、搬送ロボットが立ち寄る各地点などでのステーションでコンベヤを活用すれば自動化がはかれます。
垂直搬送機との連携
垂直搬送機は、多層階の倉庫で上下に荷物を運ぶシステムになりますが、各階での荷物の受け渡し部にコンベヤは必須です。
その他の連携
ピッキングエリア、梱包エリア、包装エリアなどでもコンベヤの使用は欠かせません。

いかがだったでしょうか。
今回は、コンベヤについて掘り下げて説明いたしました。
コンベヤは多種多様なだけに、導入時の選定はメーカーやシステムメーカーなどに任せるのが賢明です。とくに、ローラコンベヤは、機幅・機長・ローラ系・ローラピッチやガイドレールやスタンドなど、搬送する荷物の荷姿(形状、重量、サイズ)によって最適なものが違ってきます。そのコンベヤを物流センター内でどう最適配置していくのかも大きなポイントになります。いかに人の導線を塞がずに、モノの流れに最適なレイアウトがかけるか。 次回は、違うマテハン機器を掘り下げてご紹介いたします。

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