概要
コメ卸売の大手、㈱ヤマタネは、2022年1月に印西精米センター(千葉県印西市)を竣工、2月より稼働を開始しました。センターは東京と埼玉にある2工場を集約させ、生産効率の向上と生産能力の強化を図りました。センターにはオークラの最新のロボットシステムを導入し入荷・出荷における荷役作業の自動化と人的負担の削減を実現しました。
設備の特長
センターの生産フロー
最新のビジョン技術を活用した玄米袋デパレタイズ
原料の玄米は、フレコン包装またはクラフト包装で入荷され、それぞれ開袋ラインへと供給されます。このうち、クラフト袋の開袋ラインに導入されたのが最新のデパレタイズロボットです。クラフト袋はパレットに積まれた状態で入荷され、従来人手でデパレタイズ作業が行われていました。袋の重さは30kg/袋、作業者にとって大きな負担となっていましたが、デパレタイズロボットによる自動化で3名の省人化が実現しました。
パレット積みされたクラフト袋は、輸送中や荷降ろし時の振動で荷姿が不安定になっていることから、ロボットによるデパレタイズが難しいとされていましたが、最新のビジョン技術により、搬送物の位置を正確に読み取り安定したデパレタイズを実現しました。
クラフト袋を開袋ラインに移載するロボットデパレタイザ
最新のレーザー式ビジョンで袋の荷姿を確実に認識
■生産能力アップの要となる5台のパレタイズロボット
また、出荷エリアにも、精米袋のパレタイズ用にロボットパレタイザAi1800が5台導入されました。上流の包装機の高速化に対応するため、袋専用のハンドで2個掴みし、高速かつ安定した精米袋のパレタイズを実現しました。現在の出荷量は160t/日で、集約した2工場分の生産量を確保しています。
導入された5台のロボットパレタイザ
専用ハンドで精米袋を一気に2袋掴み
お客様の声
印西精米センターの新設にあたり、既存の2工場を集約させることから高い生産能力が求められた。そのため設備は最新のものを導入した。出荷現場では従来手作業で行われていたクラフト袋のデパレタイズを自動化し、3名の省人化が実現できた。精米機や包装機も高能力のものを導入。しかし、最下流のパレタイズの能力がなければ、いくら上流の精米機や包装機が早くとも生産能力があがらない。そのため高速パレタイズロボットの導入は必須だった。すでに2工場分の出荷量を確保できており、まだまだ生産キャパに余裕がある。今後の生産増にも十分対応することが可能だ。
※本記事内容は2023年3月に取材した内容を元に構成しております。
記事内の数値データや組織情報は取材時のものとなります。