概要
カジュアル衣料の大手、㈱しまむらは2020年の秋から初のECサイト「しまむらオンラインストア」を開設されました。その物流拠点となるのが「東松山ECセンター」(埼玉県東松山市)です。店舗向け物流の基幹センター「東松山商品センター」に増築され、物流網や入・出荷などのマテハン設備は商品センターが保有するものを有効活用。ECセンターは、オーダー別仕分け装置「PTIシステム」を核に効率的なピッキング・仕分けを行い、ローコストで作業生産性の高いオペレーションを実現しています。
●東松山ECセンターの作業フロー
設備の特長
ECセンターの中核設備として導入されたPTIシステムは、品種別に集約ピッキングした商品を注文主別に集品ケースへ種まき方式に仕分ける装置です。
構造はシンプルです。30から40ケースの集品ケースが置ける棚と棚上部に装着されたLEDライト、それに作業指示や進捗を示す小型ディスプレイで構成。集約ピッキングされた商品のJANコードをスキャニングすると、LEDライトが該当する集品ケースを照射、作業者はそのケースに商品を投入するだけです。これを繰り返すことで、注文主のオーダー別仕分けが完了します。
小型ディスプレイは、LEDライトの照射と同時に音声で該当ケースの位置をサポートガイダンスしますので、スピーディでミスのない仕分けを可能とします。また、すべての集品ケースへの仕分け完了すると進捗結果を表示します。
PTIシステム
設備導入の効果
しまむらオンラインストアは、主力のレディース衣料をはじめ、紳士服、子供服、服飾雑貨、靴など日を追うごとに取り扱い商品は広がり、注文が増加しています。ECセンターでは、バッチごとに40人分ずつのオーダーをまとめ、SKU(色、柄、サイズ)別に集約ピッキング。PTIシステムも1セットで40人分のオーダー別仕分けに対応しています。現在4セットが導入され、同時に160人分の仕分けを短時間で効率よく行っています。
お客様の声
ECセンターが目指しているのは、ネット注文いただいたお客様に高品質のサービスをローコストでご提供することにある。PTIシステムを軸にしたシンプルで正確な仕組みの導入により、日々目標に近づけている。物量は増えつつあるが、PTIシステムは設備としての拡張性も高く、増設が容易に行えるので安心である。
※本記事内容は2021年4月に取材した内容を元に構成しております。
記事内の数値データや組織情報は取材時のものとなります。